。 岩元氏: 似顔絵の本道は,そうやって特徴を捉えてデフォルメすることにありますからね。 そういう意味でも,今回はゲームの世界とリアルのバランスをどこで取るかに悩みました。髪型とひげ以外は,アラド戦記 RMT,ゲームの中のほかのキャラみたいにしてしまえば簡単だったんですが,IFさんに「それは違う」と言われてしまいました。 乙女ゲームの経験から得たヒントで仕事の幅を広げていく : 稲船さん以外のキャラクターは,どう描いていったんですか? 岩元氏: 僕がなりたい男性像をもとにしています。僕自身は,どうやっても女の子が男性に抱く「好き」という感情が分かりませんから,“理想の大人”であったり“理想の青春時代”であったりを描こうと考えたわけです。 稲船氏: 実は僕,今回の岩元君の絵を見て,「逆転裁判っぽさが入ってない」って思ったんだよね。 岩元氏: え,本当ですか? 稲船氏: もっと逆転裁判に寄るものだと思っていたし,寄ってほしかったんですよ。なぜなら,それが岩元君のタッチだから。一人の“クリエイター”として起用されたんだから,もっと「こうしか描けません」というのを出してよかったんじゃないかな。 例えば僕が足のでかいキャラクターを描いたとして,「ロックマンに似てる」と言われても気にしない。だってロックマンを描いたのは僕ですから,アイオン RMT。今回の岩元君の絵を見て思ったのは,真面目にいろいろ気を使って逆転裁判との違いを出そうとしたんじゃないかということなんですよ。 岩元氏: そうですか……。実は今回,自分なりにテーマを持って臨んだのですが,それがそういった印象につながったのかもしれません。 : テーマと言いますと? 岩元氏: 二つあって,一つは乙女ゲームのプレイヤーに受け入れられて,かつ僕自身の絵を描くということです。 もう一つは,僕は専門学校でキャラクターデザインの講座を担当しているのですが,受講生の中には,将来,乙女ゲームを手がけたいという人もいます。そういった受講生に「俺もちゃんとやってるんだぞ」言うためにも,この機会に正面から乙女ゲームに取り組んでおこうと考えたんです。 ただ,「乙女ゲームとしてちゃんとしたものを」ということを考えすぎて,稲船さんがおっしゃるような印象を与えてしまっているかもしれませんね。何しろ,自分がターゲット層に入っていないゲームのキャラクターデザインをするのは,初めてでしたから。 稲船氏: 何でもチャレンジするという姿勢はいいですよね
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