。なので,実はそれほど大した問題にはならないのである。 しかし次の「速さ」については,人間はかなりの対応力を持っている。人間は1フレームの時間で情報を処理することはできないが,1フレームを狙って動くことはできる。スロットゲームの目押しで,狙った絵柄を的確に出せたりするのはこのためだ。 そこで重要になってくるのが,「揺らぎの少なさ」と「予測のしやすさ」だ。情報が前もって提示され,「予測」が立つ状態であれば,「早さ」に頼る必要はないわけだ。あとはその「予測」に「揺らぎ」がなければ,人間は1フレームの「速さ」で,目の前の問題を解決できるのである。 具体例を挙げてみよう。「太鼓の達人」において,プレイヤーは初見の譜面を反応の「早さ」のみでクリアするのは難しい。しかし何度かプレイすれれば,譜面を手が覚えることで,次にどんな音符が来るか「予測」できるようになるだろう。そのうえで「揺らぎ」なく「予測」が当たるなら,「速さ」でもって正確に音符を叩くことができる。 重要なのは,遅延が「揺らぎ」なく常に一定であることだ。ゲームデザインの段階で上記のポイントが押さえられていて,かつ環境にかかわらず,遅延が数フレーム程度で一定に保たれているなら,少なくともゲームが破綻することはない。 以上を踏まえて,遅延対策を実現したのが,アーケード版の「太鼓の達人」だ。この事例では,まず機器メーカーと協力し,ほかの業務用タイトルにも応用できる液晶モニタを用意したという,ドラゴンクエスト10 RMT。そのうえで高画倩瘎I理(倍速フレーム補間)を調整し,遅延を2.8フレームに収めている。さらに映像と音声の遅延が一定であることから,映像部を先行して表示させるなどの調整をほどこして,ほぼ完全なプレイ環境を構築している。 ハード面からプレイ環境を統一できるアーケードならではの手法だが,これなどは「出力デバイス」の遅延を,「描画処理」でカバーした例といえるだろう。 なお,セッションでの話ではないが,一部のオンラインゲームでは,シングルプレイ時にも,オンラインプレイでのラグを想定した遅延が,意図的に差し挟まれていることがある。これなどはネットワークのラグを「ゲーム処理」でカバーした例といえるかもしれない。 初心者にこそ知ってほしい遅延問題 セッション後の僖蓮甏黏扦希绀吴熑伐戛`ズなど,ドラクエ10 RMT,格闘ゲームの事例についても言及が行われ,森口氏はネットワークの問題も含め,格闘ゲームでもさまざまな対策を検証していると語っていた
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